JRAプラス10とは? 2008/12
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初日のレース結果(1)
投稿日時:2008/12/31(水) 00:00
初日第1レースの複勝1番人気の結果は次のようになりました。
1R |
増加率 |
オッズ |
払戻金 |
中山 |
14.2% |
1.2 |
0 |
京都 |
227.7% |
1.0 |
100 |
▲2008年1月5日第1レースの結果
中山1Rでは、複勝1番人気の馬は、複勝最低オッズが1.3倍か1.4倍くらいだったのですが、直前に1.2倍になりました。後で説明しますが、「JRAプラス10」は複勝1番人気が有利という誤解が多かったようで、この日は直前になると1番人気のオッズが急に下がっていました。
「プラス10」ではなくて、「マイナス10」ではないかと筆者は思ったくらいです。中山では、第2レースの複勝売り上げが前年に比べてマイナスでしたが、第1レースで1番人気が負けた影響でしょう。
京都のほうは、前に紹介したように、まさかの「100円元返し」でした。こちらも4着以降になっていたら、この日の売り上げに大きな影響があったでしょう。
2R |
増加率 |
オッズ |
払戻金 |
中山 |
△14.4% |
1.2 |
140 |
京都 |
△15.4% |
1.2 |
130 |
▲2008年1月5日第2レースの結果
第2レースはどちらも前年割れでした。京都は当たったものの、プラス10の恩恵がなく、儲かったわけではないので増えなかったのでしょうか。結果は、どちらも1着で、人気薄の入着もあり予想オッズの120円を上回る払戻金がありました。
3R |
増加率 |
オッズ |
払戻金 |
中山 |
59.2% |
1.1 |
110 |
京都 |
30.3% |
1.2 |
120 |
▲2008年1月5日第3レースの結果
第3レースは、前レース的中のためか、大幅な増加になり、しかも中山が1着、京都が2着でいずれも的中です。
なお、中山では約40%の支持率で、直前のオッズは1.1を示していましたが、本来は100円元返しの対象でした。人気薄が入線したために、実際の払戻金は計算どおり110円でしたが、オッズ表示の点から考えると、「JRAプラス10」適用の第1号です。
4R |
増加率 |
オッズ |
払戻金 |
中山 |
8.8% |
1.3 |
0 |
京都 |
190.7% |
1.1 |
110 |
▲2008年1月5日第4レースの結果
第4レースの中山は、複勝オッズ1.5倍だったものが直前になって、1.4倍、1.3倍と下がっていったものです。新馬戦であり不確かなレースだったと思うのですが、1番人気ということで売れ続けたのでしょう。結果は9着でした。
一方で、京都のほうは複勝1番人気の馬が約60%の支持率がありました。この数字は、かなり高い数字になります。この日の1Rを過去2位に入れても、第71位ということになります。中山5Rの59%、京都7Rの57%も、それぞれ過去には珍しい高い数字です。1日に4レースも複勝支持率が高いレースが現れたということからも、初日の複勝売り上げ状況は異常であったことがわかります。
なお、この「京都4Rの5番シルクビッグタイム(1着)」が「JRAプラス10」を適用して実際に10円の払戻金を上乗せした第1号ということになります。
5R |
増加率 |
オッズ |
払戻金 |
中山 |
76.3% |
1.1 |
110 |
京都 |
26.8% |
1.1 |
120 |
▲2008年1月5日第5レースの結果
「中山5Rの4番サトノプログレス(1着)」は約59%の支持があり、「JRAプラス10」適用の第2号となりました。初日は、「JRAプラス10」適用のレースが、お昼前後に2レース続けておきたわけです。なお、京都も1着でした。オッズの1.1は、もともと1.1倍のものです。
6R |
増加率 |
オッズ |
払戻金 |
中山 |
21.7% |
1.6 |
0 |
京都 |
8.3% |
1.6 |
190 |
▲2008年1月5日第6レースの結果
第6レースはどちらも断然の1番人気はなく。中山は3頭、京都は2頭で人気をわけていました。1番人気の結果は中山6着、京都3着でした。
京都競馬は、これで6レース連続して複勝1番人気が3着以内に入り、複勝馬券がすべて的中しているわけです。
複勝売上げが20%増
投稿日時:2008/12/30(火) 21:23
「JRAプラス10」が適用された開幕第1週の初日は、複勝馬券が良く売れました。中山競馬では前年に比べて20%増となったのです。
中山 |
2007年 |
2008年 |
対前年増加率 |
1R |
241,379 |
275,630 |
14.2% |
2R |
325,593 |
278,559 |
△14.4% |
3R |
276,660 |
440,470 |
59.2% |
4R |
234,659 |
255,214 |
8.8% |
5R |
328,712 |
579,514 |
76.3% |
6R |
260,404 |
316,919 |
21.7% |
7R |
308,516 |
371,717 |
20.5% |
8R |
373,927 |
352,974 |
△5.6% |
9R |
421,182 |
537,455 |
27.6% |
10R |
720,058 |
733,780 |
1.9% |
11R |
1,468,094 |
1,995,884 |
36.0% |
12R |
525,572 |
567,736 |
8.0% |
合計 |
5,484,756 |
6,705,852 |
22.3% |
▲2007年と2008年の中山競馬初日の複勝
増加率の数字は、レースによって著しく差があることがわかるでしょう。
京都 |
2007年 |
2008年 |
対前年増加率 |
1R |
240,809 |
789,231 |
227.7% |
2R |
309,341 |
261,694 |
△15.4% |
3R |
198,853 |
259,021 |
30.3% |
4R |
199,313 |
579,370 |
190.7% |
5R |
299,037 |
379,110 |
26.8% |
6R |
294,475 |
319,034 |
8.3% |
7R |
356,674 |
660,427 |
85.2% |
8R |
365,725 |
540,700 |
47.8% |
9R |
466,756 |
633,023 |
35.6% |
10R |
451,507 |
722,811 |
60.1% |
11R |
2,056,221 |
2,482,677 |
20.7% |
12R |
642,855 |
783,092 |
21.8% |
合計 |
5,881,566 |
8,410,190 |
43.0% |
▲2007年と2008年の京都競馬初日の複勝
京都競馬はさらに極端な増減率になっていて、1Rと4Rは大変な伸び率になっていました。朝1番の1Rの複勝は、メインレースの次に複勝が売られているわけですから、大変異常なことが起きていたわけです。
このように複勝がよく売れたレースは、1番人気の複勝馬券が、異常に売られるという現象がおきていたのです。
大口投資家が混乱させる?
投稿日時:2008/12/29(月) 21:28
私が一番心配しているのは、複勝の性格が変わってくることです。100円元返しが解消されて一番喜ぶ人は大口投資家でしょう。わずか1~2分くらいの時間で1割も儲かることがあるわけですから、庶民には考えられない金額の馬券を購入してくるかもしれないのです。
JRAにとっては、馬券の売上げに貢献してくれるので歓迎かもしれませんが、大口投資家の投票により複勝オッズに異変がおきるのは困ります。
私は、「複勝オッズを見て3連複を買いましょう!」という本を執筆しました。3連複馬券は、複勝オッズを参考にして買うと良いのではという独自の理論を考えています。ですから、このような複勝オッズの異変は歓迎しません。
もちろん複勝の馬券作戦にも、大きな影響がでると思います。いずれにしても、しばらくは様子を見たほうがよさそうです。
100円元返しの実態
投稿日時:2008/12/28(日) 00:00
そもそも、100円元返しというレースは1年に何回出ているのでしょうか。
1986年から2007年までのレースを調べてみると、次のようになります。
単勝、複勝、ワイドのレースで100円元返しがありますが、他の馬券では、まだ出ていません。まだ100円元返しのない式別については、過去の最低払戻金を調べておきました。
式別 |
100円元返し |
最低 払戻金 |
単勝 |
54 |
|
複勝 |
7,152 |
|
枠連 |
0 |
110円 |
馬連 |
0 |
110円 |
ワイド |
11 |
|
馬単 |
0 |
160円 |
3連複 |
0 |
110円 |
3連単 |
0 |
530円 |
▲式別ごとの過去の100円元返しの出現数
この表でわかるように、「100円元返し」
は圧倒的に複勝が多くなっています。
なお、複勝、ワイドなどは1レースで複数の100円元返しになる場合があり、必ずしもレース数とは一致しません。
また、過去の単勝100円については、1着同着になり、その結果100円元返しになってしまったという例も含まれています。発走前には100円元返しの発表ではなかったケースもあるのです。
枠連、馬連、ワイドは過去の最低払戻金は110円でした。これらのレースは発売する馬券が多く、110円が100円まで下がることは、わずか10円ですが大変なことかもしれません。ただし、同着という可能性がありますから、これらについてもいずれ100円元返しがおきる可能性がありますが、JRAプラス10で救われることになるでしょう。
3連単は100円元返しに無縁でしょうが、どこまで最低払戻金が下がるのか興味のあるところです。
100円元返しを、出現した年で分類すると、次ページのようになります。
単勝
|
複勝
|
ワイド
|
|
1986 |
3 |
275 |
|
1987 |
3 |
302 |
|
1988 |
5 |
323 |
|
1989 |
3 |
279 |
|
1990 |
|
294 |
|
1991 |
1 |
345 |
|
1992 |
1 |
270 |
|
1993 |
2 |
316 |
|
1994 |
4 |
365 |
|
1995 |
4 |
339 |
|
1996 |
2 |
310 |
|
1997 |
4 |
353 |
|
1998 |
|
329 |
|
1999 |
2 |
325 |
|
2000 |
1 |
402 |
3 |
2001 |
2 |
401 |
|
2002 |
6 |
374 |
1 |
2003 |
4 |
333 |
1 |
2004 |
2 |
405 |
|
2005 |
3 |
284 |
3 |
2006 |
1 |
241 |
1 |
2007 |
1 |
287 |
2 |
▲年別の100円元返しの数
前にも説明したように、単勝と複勝の払戻金の計算方法が2005年から変わり、払戻金の額が多少は良くなりました。
その影響で、2005年以降の複勝100円元返しが減っているのだと思います。
100円元返しと言えば圧倒的に複勝馬券であるのに、ディープインパクトの菊花賞の単勝の例を引用して「100円元返しはJRAプラス10が解決」とPRしている姿勢には疑問を持ちます。
87ページの複勝支持率上位は、すべて2000年より前のものでした。最近のように場内テレビなどで複勝オッズ1.0という数字を見る機会が多くなれば、それ以上に人気馬券を購入するケースは減っていくいと思います。
「JRAプラス10」により、これからはまた特定の一頭の複勝が売れるというケースが出てくるでしょう。
「JRAプラス10」は、大本命を大量に買う一部の人たちのための配慮であり、少額の馬券を楽しむ庶民には関係のない話かと思いましたが、意外と複勝馬券には大きな影響が出そうなので、複勝の馬券作戦はもう一度考えなおす必要がありそうです。
複勝の支持率
投稿日時:2008/12/27(土) 00:00
今回100円元返しになった競走馬の複勝の支持率は77.2%でした。これは過去(1986年以降)の記録では第2位にあたります。過去にもなかったような飛びぬけて高い数字でもなかったのです。
つまり、過去のデータを調べてみれば、複勝については100円元返しになる場合を十分に予想できたと思います。なぜ、それをJRAが行っていなかったのかが不思議です。
順位 |
支持率 |
年 |
馬名 |
1 |
79.74% |
1988 |
ベッサーベルデン |
2 |
76.96% |
1990 |
タイフウヒダカ |
3 |
76.17% |
1994 |
エイブルカグラ |
4 |
75.32% |
1987 |
サクラチヨノオー |
5 |
75.09% |
1988 |
メインゲスト |
6 |
73.02% |
1989 |
ドラゴンラリー |
7 |
72.67% |
1989 |
カンキョウカンカン |
8 |
72.21% |
1991 |
ユーコーハイレディ |
9 |
70.31% |
1987 |
グレートプレーンズ |
10 |
70.25% |
1987 |
モガミチェリー |
▲複勝支持率上位10(2007年まで)
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